はいだ:そうなんです。その方はラフな格好をして椅子に座っていて、「皆さん、面接の部屋に行きますよー」って言ってるから、引率の方なのかと思っていて。応募者の中には「たばこ吸いに行ってくる」という人もいたんですけど(笑)、そういうのも全部見てたんだなと思って……。まさかその方も審査に関係していたとは思わなかったんです。
林:コ、コワッ(笑)。人間、どんなときでも気が抜けないですね。
はいだ:「表だけじゃなくて、裏も見ていた」ってあとで言われました(笑)。
林:まあ……。本質を見られたんですね。しょうこおねえさんは一人っ子ですか。
はいだ:姉がいます。年子の姉が。すごくやさしいです。
林:家族から大切に育てられたという感じがしますよ。
はいだ:今でも家族みんな、すごく仲がいいです。
林:うたのおねえさんに決まったときは、家族の皆さん大喜びだったでしょう。
はいだ:そうですね。でも、心配もしてました。しょっちゅう「大丈夫?」って言われてるような子だったので、「子どもたちのお世話なんてできるかな」という感じで、みんな心配してました。
林:そうなんだ。じゃあ皆さん、今はもっとヒヤヒヤしてるんじゃないですか。いろんなバラエティー番組に出てるのを見て(笑)。
はいだ:最初はすごく心配していましたね。でも今は、「自然なままでいいんじゃない?」って言ってくれます。
林:バラエティー番組で芸人さんたちにイジられるときってどうですか。
はいだ:うたのおねえさんを卒業して初めてバラエティー番組に出させていただいたときは、ツッコまれたり笑われたりすることが悲しくてしょうがなくて……。収録が終わると、いつも楽屋で涙が止まらなくなってたんです。
林:まあ、そうなんだ。
はいだ:この人たちは私のことを本当にバカだと思ってるんだ、嫌いなんだと思って涙が出ちゃったんですけど、月日がたって、何回も共演させていただいたり、お話させていただく方が出てくると、何となく慣れてきたんでしょうね。ツッコまれても「これは愛があるツッコミなんだ」と思って、ようやくその場が楽しくなってきました。
林:芸人さんたちにとっては、子どものときに好きだったクラスのマドンナを、大人になってイジってるという感じかもね。
※週刊朝日 2019年3月29日号より抜粋