鶴岡:そうだったんですね。
草なぎ:僕、緊張した自分にびっくりしたんですよ。でも待てよ、と。「緊張してもいいんじゃないかな」とも思って。子どもにあそこまで問い詰められる親って、子どものことが怖いっていうか、もう逃げられない状況っていうか。大人って逃げるじゃないですか。でも、あそこの場面で、自分の息子が前を出して、初めて真正面からぶつかってくる。だから、ちょっと緊張している自分と役を重ね合わせればうまくいくんじゃないかなと思いました。「よし、俺これでいいんだ。今の緊張を演技につなげてみよう」みたいな感じで。それがよかったなっていうか。あんまりお尻とかを出したこともないし、ちょっと恥ずかしい思いもあるし、でも、もうやるしかないみたいな。何度か(リハーサルを)やり、ちょっとずつ慣れ、いい感じになりました。監督の狙いだと思うんですけど。やっぱ、鶴ちゃんはやってくれるんです。
鶴岡:ありがとうございます。
(聞き手/本誌・工藤早春)
※週刊朝日 2019年3月22日号より抜粋