昨年9月、福井市で僧衣を着て車を運転した40代の男性僧侶が、交通反則切符(青切符)を切られた問題。僧侶は納得できないとして反則金6千円の支払いを拒否していたが、福井県警は一転して「県警本部にて改めて事案を精査した結果、証拠の確保が不十分で、違反の事実を認定できなかった」として、1月26日までに僧侶に書類送検しないことを伝えた。
この騒動を巡っては、SNS上で、僧侶らが、なわとびやジャグリングを披露し、僧衣でも自在に動けるとアピールしたことで、一躍注目を集めた。
交通ジャーナリストの今井亮一氏は、
「一般的に反則金の事件の起訴率は極めて低いので、たとえ書類送検しても検察は起訴しないでしょう。警察としては妥当な落としどころだと思います」
と語る。
書類送検が見送られ、一件落着と思いきや、男性僧侶が所属する浄土真宗本願寺派のコメントは次のように慎重だ。
「運転に支障のある衣服を着用して運転したとの理由で違反切符を切ったことを受け入れがたいと考えていたので、今回当局が書類送検しなかったことを当然と考える。(僧衣の)白衣、布袍(ふほう)で運転してもよいという結果が得られたと断言できないことから、今後の対応に注意していきたい」