入学時に入学の目的、希望職種、半期の目標などを入力。学習時間や図書館などの施設利用の状況を記載し、半期ごとに自己評価を書き込み、チューターと面談。次の学期に備える。
卒業時に身につける能力として「課題解決につながる協調性と指導力」「高い倫理観と社会的責任感」などが掲げられ、授業もそうした能力を底上げできるように編成されている。担当者の山内一祥講師は効果についてこう語る。
「成果が目に見えやすくなったことで、学生自身が成長を実感しやすくなっているようです。気が緩みそうになっても、入学時に記入した内容を見て、初心に帰ることもできる」
大学が公表するデータからも、実力がつく大学の素顔が見えてくる。まずは「実就職率ランキング」を見てみよう。
卒業者数別のランキングを見ると、小規模大学が健闘する。卒業者数300人未満の上位4大学は実就職率100%と驚異的だ。いずれの大学もキャリア支援や就職に向けたネットワークを築くことで、就職実績に反映している。
ランキング上位は公立や私立の大学が目立つ中、国立の福井大に注目が集まる。卒業者1千人以上の国立大で、実就職率は11年連続の全国1位をキープしている。キャリアカウンセラーを置き、東京や大阪、広島、福岡にはサテライトキャンパスを設ける。それらのキャンパスは就職活動中の学生向けに、荷物を預かるほか、更衣室まで用意する。大学ランキング編集者の小林哲夫さんも「地方の国立大では最も攻めている」と高評価だ。
将来の進路が決まっている場合は、職種別の合格者数や合格率にも目を向けてみるといいだろう。
東日本大震災以降、人気を集めている警察官や消防官は、体育会系の学生が多い大学の学生が志望する傾向にあるが、採用人数を見ると、日本大や国士舘大、帝京大など大規模な総合大学が目立つ。これらの大学には警察官や消防官になるための講座が用意されている。日本文化大も警察官に強い大学として有名だ。法学部のみの単科大学で、学生数も800人程度だが、卒業生の4割以上が警察官として採用されている。数学や社会、理科など中学、高校で学ぶ基礎的な知識までも授業でおさらいすることが採用につながっていると言われている。
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