ツイッターは以前から、ハラスメントや嫌がらせ、暴力の扇動が横行しているとの指摘を受けてきた。この調査によってそれが改めて、そしてより詳細に浮き彫りになった。アムネスティは、この調査結果は女性が直面する被害の「一部」に過ぎないと強調する。

 その理由として、過去にさかのぼってデータを収集したため、すでに凍結されたアカウントや削除されたツイートは含まれていないことがある。さらに、ツイッター社が被害の実態を詳細に知るためのデータの提供や、分析した情報の公開を拒み続けていることから、実際の規模や性質が把握できないのだという。アムネスティは、こうした実態調査は本来ツイッター社自身が実施、公表すべきだとして、透明性を向上させるよう強く求めている。

 ソーシャルメディアは被害に苦しむ女性たちが団結し、声を上げるための有益な場所にもなりうる。しかし現実には、声を上げた女性たちがさらなる攻撃にさらされる有害な場所になっている。

 アムネスティは、ツイッターなどのプラットフォーム企業には人権を尊重する責任があるとした上で、「プラットフォームを利用する女性たちが、恐怖を感じることなく、自分自身を自由に表現できる場にしなくてはならない」としている。世界的人権団体から名指しの批判を浴びたツイッター社がどのような対応を行うか、注目だ。

週刊朝日  2019年1月18日号

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