藤巻健史(ふじまき・たけし)/1950年、東京都生まれ。モルガン銀行東京支店長などを務めた。2013年7月の参院選で初当選。主な著書に「吹けば飛ぶよな日本経済」(朝日新聞出版)
藤巻健史(ふじまき・たけし)/1950年、東京都生まれ。モルガン銀行東京支店長などを務めた。2013年7月の参院選で初当選。主な著書に「吹けば飛ぶよな日本経済」(朝日新聞出版)
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仮想通貨交換業者の規制のあり方を考える金融庁の研究会 (c)朝日新聞社
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“伝説のディーラー”と呼ばれた藤巻健史氏が仮想通貨に注目する理由は3つあるという。

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 私が新卒で入行した三井信託銀行(当時)千葉支店のOB・OGの旅行が、2018年秋にあった。ここ10年ほど恒例行事だが、今回は高野山へ。宿坊に着いて早々、奥の院へ行くことになり、幹事で慶応大落語研究会出身の大西先輩がお坊さんに聞いた。

「奥の院はここより標高が高いので、コート持参がよいですかね?」。返事は「夕方は冷えますよ」。

 大西さん、みなへ向かって「高野山に来たと思ったら、冷えー山ですって」。おあとがよろしいようで。

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 18年は仮想通貨の話題が熱い年だった。一時期の高騰から足もとは冷え込み、冷え~山。まだ価格の変動幅(ボラティリティー)が大きすぎる。これでは通貨機能を果たすのは難しい。

 ボラが大きいのは、市場参加者が均一的で市場規模も小さいから。参加者の大半は個人投資家で、思惑が一致して一方向に傾きやすい。魚の群れのように、一方向へどっと動いたかと思うと今度は逆方向に。この動きが収まるには、異なるモチベーションを持つ参加者が増えることが必要だ。

 避難通貨として買う人、短期のトレーディング利益を求める人、分散投資のためにポートフォリオの一環で買う人、ブロックチェーンの発展がらみで買う人……。購入目的が分散するほど売買タイミングも多様化する。その結果、一方向への偏りが少なくなる。

 機関投資家が参入すれば、ボラは小さくなるだろう。市場が大きいほど参加者の目的も分散し、売買のタイミングがばらける。参入の条件は二つあると思う。

 一つは、先物やオプションでのヘッジ。機関投資家はヘッジ手段のない市場には参入しない。先物市場があると、カラ売りできるから良くないとの説を聞くが、マーケット経験のない人の主張だと思う。先物市場はヘッジ手段になり、機関投資家が参加しやすくなる。


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