25年間、歌と踊りでファンを魅了した安室奈美恵さん(提供写真)
25年間、歌と踊りでファンを魅了した安室奈美恵さん(提供写真)
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沖縄での引退コンサートに駆けつけた熱烈なアムラーたち(撮影/上田耕司)
沖縄での引退コンサートに駆けつけた熱烈なアムラーたち(撮影/上田耕司)

<引退に伴い、安室奈美恵オフィシャルファンクラブfan spaceは、2018年9月30日(日)をもちましてサービスを終了することとなりました>(公式ホームページから)

【沖縄での引退コンサートに駆けつけた熱烈なアムラーたち】

 9月16日に引退した安室奈美恵さん(41)の喪失感を訴える″安室ロス″が広がっている。

 那覇空港から19日、帰ってきた埼玉県の販売業に従事する30代の秋山花子さんは、こう訴える。

「引退の日、沖縄に一緒に行った友達と病んでます。もう何にも手につかなくて……。現実に戻るのはやっぱりきついですね」

 東京都のタワーレコード渋谷店の前では、都内の女子高に通う藤井茉莉花さん(17)がこう話した。

「母が安室さんと同い年で、安室さんのファン。だから、家にはたくさんCDやDVDがあるので、私も安室さんの曲は大好き。若いころよりも、年齢を重ねるごとにめっちゃかわいくなった安室さんは憧れ。引退は寂しすぎます」

 台湾からラストライブのためだけにやってきた台湾人女性の羅葦琳さん(35)と林宥形さん(40)は、安室さん引退の翌日(17日)に帰国。安室ロスをこう訴える。

「安室さんがいなくて寂しい。沖縄からの帰りの飛行機の中では涙が流れました。何物にも代えられない。この心の穴を埋めるのは難しい。彼女の歌をこれからも繰り返し聴きます」

 沖縄の地元紙、琉球新報社は安室さんが引退した16日付の新聞を5万5千部、17日には4万部を増刷したが、ほぼ完売。那覇市の同本社1階では、8月22日から安室さんの企画展「My Hero~琉球新報でたどる安室奈美恵25年の軌跡」を開催し、全国のアムラーたちが大挙して訪れた。

「社内の空気として、一種の虚脱感がありますね」と語るのは、琉球新報の普久原均編集局長だ。

「沖縄出身で活躍する芸能人は多いですが、安室さんは別格。本土にいたうちの社員が『安室さんが登場してから、沖縄出身だと言うと、すごいと羨ましがられるようになった』と自慢するようになった。ウチナーンチュを誇りに思わせてくれる存在だった。引退を惜しむ声がこれだけあるのは、それだけ沖縄にとって大きな存在だったんです」

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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