
老けて見えしまう要因は様々だが、中でも「ほうれい線」は厄介だ。顔の印象を左右するだけに、何とかしたい。とはいえ、マッサージや肌の手入れを入念に施してもダメだった場合、どうするか。化粧で隠せないのか。
ファンデーションを濃くする? しみ消し用のコンシーラーがいい?
これまでに2万人以上の顔やボディーをケアしてきたという美容家の出口アヤさんらプロに聞くと、その発想は誤りだった。ついつい線を隠したい気持ちになるけれど、失敗するとかえって目立ってしまうことも。「隠す」という考えを捨て、見せ方を研究したほうがよさそうだ。
「化粧は軽めに」が基本。ファンデは薄めにしよう。ファンデを塗らないという選択肢もある。実際、出口さんはほうれい線の周りには使わないという。
「ファンデじゃなくて、保湿で隠すのです。どうしても塗りたい場合は、パウダーでなく、リキッドタイプを勧めます」
ヘアメイクアップアーティストの矢野トシコさんに聞くと、「ちょっとした工夫で目立たなくさせる技がある」という。おお、「ちょっとした」っていうの大好物!
「ほうれい線が気になる人は、線のぎりぎり下にハイライトを入れましょう。パール感のあるホワイト系を薄めに。ハイライトがなければ、頬の一番高い場所に面積の広い大きいブラシでチークをふんわり。元気な顔になり、線も目立ちにくくなります」
あくまでも自然に見えるようにしたい。そのためにも、メイクは鏡から少し離れて顔の全体を見ながらやる。これが、失敗しないコツだそうだ。
化粧以外にも方法はある。矢野さんがヘアについても「なるほど!」なヒントをくれた。
「顔をぺったり覆うような髪形でなく、耳から上をふんわりさせると、ほうれい線は目立たず、小顔効果も期待できます」
中高年の女優のメイクに多用される“隠し技”も紹介してくれた。
「耳の上、細く数センチの毛束を三つ編みにして後頭部でぎゅっと結び、上から髪の毛で隠します。目元が毛束で引っ張られるので、目尻のしわがのび、顔は引き上げられるんです」