内閣府D:うちも辞める人が多いね。元々、官僚は給料がそんなに高いわけではなく、長く働けば働く分だけ、“天下り”などでそれなりの待遇がついてくるわけですよ。実は仲間うちで天下り斡旋の互助会のようなものを作ろうという話が何度か出たけど、菅官房長官らが文科省の天下り斡旋組織を血祭りにあげ、ガンガン切り込むのを見せつけられて、余計なことしなくてよかったと。でも、そうなると定年後、お先真っ暗ですよ。若い官僚もそんな現実を見ると、官僚は今の時代には適していない職業と思い、辞めていくのかもね。今、東大法学部が人気がなく、官僚になる学生の質も落ちていますよ。
防衛省C:官僚の意識としては、高度経済成長期までは、「国のため」という気持ちを持っている人は多かったと思いますが、今は減ってきた気がします。何十年先を見据えて国をつくっていくには、長い目で見ることが大事で、長期計画を立てたあとは、とにかく目の前の仕事、与えられた任期を全うすることを大切にしています。ただ、私たちのキャリアとして、セカンドキャリアをどうしていくか、民間に転職したとき何ができるのか。そうした不安もあります。それが、学生の官僚志望が減っている理由でしょうね。
財務省B:結局、霞が関は過去の過ちを繰り返しているんですよ。安倍首相は働き方改革と言っていますけど、まず霞が関を何とかしてほしい。だが、官僚には、国会対応があるから、国会前後になると大臣や国会議員へのレクチャー、資料づくりで徹夜続きで地獄ですよ。結局、国会や国会議員らの意識が変わらない限り、官僚だって変われないんです。
(構成 本誌・田中将介)
※週刊朝日 2018年9月14日号