樋田容疑者はこれまで何度も警察の「お世話」になるような人生を歩んできた。3、4年ほど前にも、窃盗などで逮捕されて実刑判決を受けた。その刑務所仲間はこう話す。

「調子のいいやつで『親が金持ちで、金には不自由しないから外に出たらぜひ、メシ食いましょう。おごります』とかよく言ってましたね。けど、外に出て会った人に聞いたら、『カネがなくて大変だ。いくらか貸してくれ』とか言われて何だと思ったそうです。そんな仲間うちの情報では、樋田容疑者を大阪市内のマンションで匿っているヤツがいるとも聞きました。というのも、野宿をしたり、西成の1泊500円とか1000円の宿に逃げ込んで頑張る、サバイバルは絶対にできないタイプ。それに土地勘のないところにも、行かないでしょう。いずれ悪いことするから、知らない場所ではやりにくいから、大阪かその近辺にいるはずです。事実、逃走中にひったくり事件を起こした生野区は、刑務所でも詳しいと言っていた場所の一つです。そこで刑務所仲間を頼ってというのはあり得ると思う」

 しかし、今もって、樋田容疑者は逃走を続けている。

「サバイバルができない男という情報は、こちらにも届いている。めぼしいところは、片っ端から調べた。防犯カメラも山のように見ているが、樋田容疑者に辿りつけない。現場からはここまで探して出てこないということは、コッソリ、実家か親戚宅にでも戻っているんじゃない、という声まで出ています。樋田容疑者の親は息子にとても甘い。警察の目を掻い潜って息をひそめているんじゃないかとまで、話が出ています」(前出・現場の警官)

 樋田容疑者の実家前には、逃走以降、大阪府警の捜査車両が張り付いている。しかし、周囲は田んぼで、夜闇に乗じてという可能性も考えられなくもない。

 すでに、大阪府警は1度、樋田容疑者の実家には捜索に入ってはいるというが、ここまで長びくと灯台下暗しということもあるかもしれない……。(本誌取材班)

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