<中井洽先生は一晩300万円くらいは飲んだかもしれません>とクラブでの様子の写真があったり、新聞記者と佐野被告、谷口容疑者の3人が並んで写っている写真もあり、その人脈の広さがうかがえる。谷口容疑者を知る、議員秘書はこう言う。
「羽田氏の事務所の名刺で動いていた。ちょうど、民主党が与党になるかならないかの時期。羽田氏は国交相にもなった。官僚としても、名刺を持ってこられて羽田氏の名前があれば、お父さんは元首相だし、当時はまだ現役の衆院議員。何もしないわけにはいかない。逆に、羽田氏の事務所なら安心できるという信頼感もあった。そこを、谷口さんはうまく使っていた。だから、谷口さんから『おたくの先生の名刺をまとめてくれないか』と言われたこともありますよ。断りましたがね」
前出のホームページでは、谷口被告の妻はこう訴える。
<事件の真相が知りたい、というのが私の率直な気持ちです>と記し、ホームページには「調べて」という単語が頻繁に登場する。
今回の事件で谷口被告自身が佐野被告や川端容疑者への“口利き”で多額の報酬を得るなど利得があった様子はうかがえない。
東京地検特捜部は、谷口被告を「悪徳ブローカー」に仕立て上げ、文科省幹部を逮捕するネタに使いたかっただけではないか、と訝しる声が永田町から聞こえてくる。
「安倍政権は森友学園、加計学園の問題で前川(喜平)前文科事務次官に徹底的にやられた。その仕返しで検察を使って、しっぺ返しをしたんじゃないかとも言われている。事件の捜査をしていれば、自民党総裁選に絡んでスキャンダルが報じられそうになっても、いろいろマスコミ操作で使えますからね。検察を使って、次なる爆弾を調べさせているんじゃないですか」(自民党ベテラン議員)
谷口被告との関係について田村議員に問い合わせると、こう回答した。
「中井洽先生から希望があり、2013年10月7日に谷口被告と大臣室で面会しました。また2018年5月18日にも羽田雄一郎参議院議員から依頼があり、面会したと思われます。接待は受けていません」
リストに名前が掲載されている官僚らに取材を申し込むと、「現在は退職し、顧問」「不在」などと回答を得られなかった。(今西憲之、本誌・田中将介)
※週刊朝日オンライン限定記事