ネットサーフィンやSNS、ゲームにハマって抜け出せない“スマホ依存・中毒”の問題が指摘されて久しいが、スマホ対策は子育ての要でもある。三男一女の4人の子ども全員を東京大学理科III類(東大理III)に合格させた佐藤ママこと佐藤亮子さんが、都内で講演し、「お母さんの覚悟が必要。スマホに五寸釘を打つくらい断固とした態度を見せて」と話した。
佐藤さんの新刊本『三男一女東大理III合格! 佐藤ママの子育てバイブル 学びの黄金ルール42』(朝日新聞出版)の出版を記念した講演会(7月22日、朝日カルチャーセンター新宿教室)での一コマ。夏休みに入ったばかりのこの日、子育て中の親を中心に約150人が集まった。
今や10代の必需品となったスマホ。連絡手段として子どもに買い与えている親も多い。
「すでにスマホを子どもに与えた人は徐々に取り上げる。与えていない人は子どもには与えないで。与えてから取り上げるのは想像以上に大変です」
佐藤さんはこのように言い切る。その理由は明快。大学受験を控えた高校生はもちろん、小中学生も近い将来、中学、高校受験があり、それまでの時間は限られているからだ。
「受験までの時間は誰にとっても平等です。それまでの時間をいかに使うかにかかっているのです」
かつて「受験は恋愛に無駄」という発言で炎上騒ぎになった佐藤さん。その発言の趣旨は、受験までの時間を意識し、効率的に使おうというもの。例として「女の子と一日2~3時間お茶くらいと思っても、10日で計30時間。その時間を恋愛に費やすより、参考書を一冊終わせるのに使った方が志望校に合格しやすい」と話した。この考えは今も変わらないとした上で、「今や、恋愛よりもスマホの方がやっかいです。子どもの生活にどこまでもついてきますから。大切は時間を奪われてしまいます」
と強調する。
佐藤さんの息子が高校生のときはまだスマホが普及していなかったが、当時、難関私立高校の灘高校(神戸市)にも“携帯(ガラケー)依存”になった子どもがいたという。授業中もずっとネットサーフィン。パケット代は定額制だったが、実際には通信費が300万円分に上っていたとか。