「その子のお母さんはあるとき、『これが、あなたの人生を台無しにするのよ』といって、ガラケーを逆向きにバキッと折ったそうです。そのくらいお母さんの覚悟が必要です」

 最終的に、その子は東京大学に合格したという。似たようなケースは佐藤さんの息子の友人で5人ほどいたそうだ。

「実は、子どもはやめたいと思っているんですね。でもやめられない。ならば、お母さんが愛情をもって依存を断ち切るべきです」

 その後、スマホが普及すると、五寸釘を画面に打ち込んだ母親もいたという。衝動的な行動ではなく、あくまで親の思いを子どもに伝えるための“演出”。ホームセンターで太い五寸釘を買ってきて、あえて子どもの目の前で金槌を使って打ち、スマホの下には電話帳を敷く準備もしていた。

「そのお母さんは冷静でしたね。お子さんも東大に合格しました」

 とはいえ、スマホは安くはない。それを進んで壊すのはもったいない気もするが……。

受験に落ちたら予備校通いで100万円以上かかりますよ」

 スマホ対策に限らず、IT時代の子育ては悩みが深い。佐藤さんの経験とそのメソッドは新刊本(『三男一女東大理III合格! 佐藤ママの子育てバイブル 学びの黄金ルール42』)に詳しく掲載されている。(本誌・鎌田倫子)

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