IBTメディアは、「第二のウォールストリート・ジャーナル」を目指す経済ニュースサイト「インターナショナル・ビジネス・タイムズ(IBT)」を運営し、急成長を遂げていたメディアグループだ。

 そのビジネスモデルは、粗製乱造記事によりウェブ検索経由のアクセスをとにかく増やし、広告収入を稼ぐコンテンツファームに支えられていた。

 グーグルが17年にクリックベイト対策を実施すると、IBTのアクセス数は激減。そこでIBTメディアはブランド力のあるニューズウィークを同社の主力メディアに切り替え、編集部にIBTの編集者や記者を多数送り込んだ。その結果、同誌はアクセス至上主義に傾倒していった。

 ちなみに、「ニューズウィーク日本版」は米ニューズウィーク誌とは独立して運営されている。かつて日本版編集長を務めた故・竹田圭吾氏は、ワシントン・ポストによる売却の際、「誰が新しいオーナーになるかによって、ニュースメディアとしてのあり方は変わるかもしれない」と記していた。

 残念な方向で竹田氏の予言が的中してしまったということだろう。老舗ジャーナリズムのブランドが、広告収入を稼ぐことしか考えないネットメディアの餌食になる時代が来ている。

週刊朝日 2018年7月6日号

暮らしとモノ班 for promotion
大人のリカちゃん遊び「リカ活」が人気!ついにポージング自由自在なモデルも