「前田社長がいう『売れるもん、なんでも売れ』という方針からネットでも有名になった、生きているクリオネや金魚を鮮魚として販売。うなぎ丼ならぬ、うなぎのたれだけをご飯にかけて店頭に並べたり、毒を取り除いてないフグをそのまま売ったりと、売っている店員すらびっくりしました」(前出・店員)
フグ騒動はSNSで拡散され、スーパー玉出は2016年6月、大阪府ふぐ条例に基づき、フグ販売停止2日間の行政処分を受けている。
その一方で、スーパー玉出には「負の遺産」もあった。
同年8月、外国人留学生を法定時間以上に働かせたと、前田社長ら幹部 が書類送検された。(後に不起訴)
また、暴力団員がスーパーで働いた実績もないのに「日当」が支払われていたとマスコミで報道されたこともあった。
前田社長と古くから付き合いのある知人はこう話す。
「前田社長は、儲かると思えば、スーパーだけじゃなく地上げなどなんでも手を出す。だが、時代がかわり、『儲けるためには、何をやってもかまへんというわけにはいかん』と最近、口にするようになった。コンプライアンスより、売ることを最優先する前田商法もそろそろ限界に来ていることを察知していたんじゃないか。それが玉出の事業譲渡になったと思う」
スーパー玉出に事業譲渡について問い合わせると、こう回答した。
「そのような報道がありますが、まだ詳細は社長から聞かされていません。派手な看板がどうなるか? いや、それもわかりません」
大阪名物となったド派手な看板は続けてほしいものだ。(今西憲之)
※週刊朝日オンライン限定記事