林:いやいや、これだけのお客さんが入って、これだけのレベルのものを見せていただいたら、誰も何も言わないんじゃないですか。

堂本:強い言い方をすると、批判の声も黙らせてやろう、という思いを持ちながら、「頑張らなきゃいけない」と自分に言い聞かせてやっているつもりです。

林:素晴らしいです。

堂本:帝国劇場でほかの役者さんの公演を見て、楽屋にごあいさつに行くと、「ごめんな、おまえの劇場借りてるぞ」みたいなことを言われるときがあるんですよ(笑)。僕にはそんな気持ちはまったくなくて、ここに立てるって、いつでもすごく特別なことなんですよね。18年間、毎日それだけは忘れないようにやってますね。

林:「SHOCK」があったから今度の「ナイツ・テイル」があり、「ナイツ・テイル」のあと、「SHOCK」もまた違う形になるかもしれませんね。

堂本:自分の気持ちとしてもそうですし、技術的な部分に関してもそうだと思うんですけど、変わってなきゃダメだなと思います。

林:さっき、「30代最後」とおっしゃったけど、家庭を持って奥さんのおいしい料理を食べたり、子どもたちの笑い声で癒やされたりしたいとか、そういうことは思わないですか。

堂本:いずれそういう家庭というものを持てれば、自分として素晴らしい人生だなと思えると思うんですよ。ま、そのタイミングがなく40歳になるという(笑)。

林:18年前は、「僕たちみたいな仕事をしていると、ふつうの女性と知り合うことはまずありません」とおっしゃっていたような気がします。

堂本:そうですね。べつにあせってもいないですし、今はそれをすごく求めているわけでもないので、将来的には家庭があればすてきだな、と思うぐらいですね。

(構成/本誌・直木詩帆)

週刊朝日 2018年6月29日号より抜粋