一方、国家戦略特区による、加計学園の獣医学部新設問題でも、安倍首相と加計学園の加計孝太郎理事長の「特別な関係」が愛媛県の備忘録によって暴露された。2015年2月に首相と理事長が面談して獣医大学新設について話し合い、「首相案件」として具体的なレクチャーを受けていたと、記されていたのである。
だが、5月26日になって加計学園は、FAXで<当時の担当者が実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、県と市に誤った情報を与えてしまった>
と愛媛県と今治市に「ウソ」の情報を伝えたと釈明。
5月31日には、加計学園の渡辺事務局長らが、愛媛県と今治市を訪問して、謝罪した。
記者の質問に渡辺事務局長は、安倍首相と加計理事長の会談について、「(愛媛)県が何もなく書くことはない。たぶん自分が言った」
と渡辺事務局長が愛媛県と今治市に「ウソ」を伝えた張本人であることを認めた。
さらに「その場の雰囲気でそう言った」「ウソで認可になったのではない。愛媛県と今治市、加計学園の職員で頑張ってやったから(獣医大学は)できた」と抗弁した。
その一方で、愛媛県の備忘録に書かれてある内容についてこう強調した。
「安倍首相と加計理事長の面談以外については、正しい内容です」
だが、そもそも愛媛県の備忘録には、愛媛県と今治市に対して加計学園が会合の申し入れをした理由について<加計学園から、理事長と安倍首相との面談結果等について報告したいと申出>と記されていた。
会合も「ウソ」が前提だったのか。
また、同年3月15日に再度、加計学園と愛媛県と今治市は会合。そこでも<学園理事長と総理との面会を受け、柳瀬秘書官から資料提出の指示あり>
などと記されている。
この日の会合でも、渡辺事務局長は「ウソ」をつき続けていたのか。
記者に問われた渡辺事務局長は、「3年前のことではっきりと覚えていない」としどろもどろ。
安倍首相と加計理事長が面談してないにもかかわらず、「面談したと愛媛県と今治市には伝えた」という要領を得ない回答を繰り返すばかりだった。