室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
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(c)小田原ドラゴン
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 モリカケ問題だけでなく、イラクの自衛隊日報問題でも新たな事実が明らかになり、政権が大きく揺れている。作家・室井佑月氏は、森裕子議員の一件を報じた各媒体に疑問を呈す。

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*  *  *
 
 4月7日付のlivedoor NEWSに、

「何がしたかったのか 野党議員・森裕子(ゆうこ)氏が財務省の前で5時間居座り」

 という見出しがアップされた。内容は産経ニュース「財務省に5時間居座りの森裕子氏『パフォーマンスじゃないのよ!』」である。

〈自由党の森裕子参院議員(61)が3月30日、財務省の決裁文書改竄(かいざん)問題をめぐり、国有地処分に関するデータ管理端末を確認する目的で財務省を突撃した。

 職員や衛視らが退去要請を繰り返すも、森氏は「国民の代表」たる使命感からか、まったくひるまず、5時間にわたり居座った〉

 のだそうだ。

 livedoor NEWSも産経ニュースも、記事のタイトルがおかしくネ? 森姐(モリネェ)が「何がしたかったのか」、わからないほうがおかしい。

 記事は、

〈財務省職員は迷惑を被っただろうが、森氏は「パフォーマンスではない」と強弁した〉

 とつづく。

 ……腐ってんな。

 官邸の指示があったかどうかは不明だとしても、財務省は公文書の改ざんをしたわけだ。しかも、この期におよんで、ちょろちょろちょろちょろ新たな事実が発覚する。

 公文書の改ざんは、この国を根底から覆す事態である。官邸は関与してないというならば、与党のみなさんも森姐につづけよ! それがお仕事でしょうが。

 でもって、議員としてそういう真っ当な仕事をしている者の、後押しをするのが真の報道の姿だと思うけど。

 もう、この国はめちゃくちゃだ。

 4月8日付の「しんぶん赤旗日曜版」のスクープによれば、吉野正芳復興大臣が、復興関連事業をめぐり、彼の支援者である建設業者を下請けに入れるよう圧力をかけたとか。復興予算にまで私利私欲を絡めるとは、汚すぎる。

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