気になるのは、同社がこのデータを米大統領選で利用したのかどうかだが、一部報道ではモデルの精度やデータの古さから大統領選では役に立たなかったとされている。いずれにせよ、膨大な個人情報が選挙キャンペーンでの利用をもくろむ会社にわたっていたという事実は重い。
報道を受け、米共和党・民主党上院議員らはザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)の証人喚問を要求。欧州各国の議員、規制当局からも、フェイスブックへの責任追及や自国への影響について説明を求める声が相次いでいる。
ザッカーバーグCEOは間違いを認め、対策強化の必要性を認めるコメントをフェイスブック上に投稿したが、説明責任を十分に果たしていないとの批判も多い。蓄積されたユーザーデータを収益源にする、根本的なビジネスモデルのモラルが問われているのだ。
個人情報の不適切な使用で、2社を相手取った訴訟も今後増えていくだろう。創業以来最大のピンチを迎えたフェイスブックがこの問題でどのような対処を行うのか、全世界がかたずをのんで見守っている。
※週刊朝日 2018年4月6日号