「今の世の中の流れから“所属タレントの結婚を認める”ことは事務所にとってプラスになります。昨年12月のV6の岡田准一と宮﨑あおいの結婚もしかり。世間を意識した事務所の意図も感じます」(今井さん)
近年、テレビ離れが進み、これまでのやり方では立ち行かなくなりつつある。上智大学の碓井広義教授(メディア文化論)は言う。
「だから、自分をしっかり持った芸能人ほど、危機感を持つのは自然な流れ。仕事も人生も自らの判断で動くべき時代だと気づいている。それは今回、話題になった3人ともに共通していることでは」
一方、以前に比べ、事務所の存在意義が薄れているという指摘も。例えばファンとのコミュニケーション。ネットやSNSが発達した今、事務所の介入なしも可能になった。
「“育成”に重きを置く一方、売れてからのマネジメントが弱いというのも日本の芸能事務所の特徴」
芸能評論家の三杉武さんは、こう指摘する。「売れたもん勝ち」の傾向が強く、発掘・育成には注力する一方、仕事の幅を広げ、新しい道を模索するなどのブレーク後のマネジメントがおろそかになりがちだった。
「つまり、名を上げた芸能人ほど、事務所に所属しているメリットが少ない。実力と経験を積んだ芸能人が独立を選択する傾向は、今後強まるかもしれません」(三杉さん)
自己責任、自己判断が求められる時代、芸能人も自らの意思で人生をどう切り開くか、注目されている。(本誌・松岡かすみ)
※週刊朝日 2018年4月6日号