ウェブを使った新しいジャーナリズムの実践者として知られるジャーナリストで、メディア・アクティビストの津田大介氏。フェイクニュースの拡散メカニズムについて解説する。
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フェイクニュースは事実に基づく正しいニュースよりも速く、広く拡散する──マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームが米科学誌「サイエンス」に発表した研究結果が世界中で話題を集めている。
MITメディアラボのソルーシュ・ボーソーイ氏ら研究チームは、ツイッター社の協力を得て、2006~17年の期間に英文で投稿された全ツイートからサンプルを収集し、フェイクニュースの拡散メカニズムの分析を試みた。
複数のファクトチェックサイトが真偽を検証した2448件の「噂(うわさ)」について調べた。それについて約300万人が、延べ450万回のツイート・リツイートをしており、12万6千件の「情報拡散の流れ」が抽出された。
分析の結果、正しいニュースの拡散は1千人程度で止まるのに対して、フェイクニュースでは上位1%が1千~10万人規模で拡散されていた。フェイクニュースが1500人に拡散するまでの時間は正しいニュースに比べ6倍速い。リツイートの連鎖が10層目に到達するまでの時間も、フェイクニュースのほうが20倍も速かった。フェイクニュースがリツイートされる割合は、正しいニュースの1.7倍に及ぶという。