放送作家・鈴木おさむ氏の『週刊朝日』連載、『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回はももいろクローバーZ・有安杏果の引退について。
【写真】引退した有安杏果さん 一日交通部長の制服姿が可愛かった…
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僕の実家は千葉の南房総。結構な田舎町なのだが、中学のときの先輩からいきなり携帯に電話。娘さんが中学生で、東京に遊びに行ったときにスカウトされて、モデルとして芸能界に誘われているのだという。先輩はネットでその事務所のことを調べてみると、いろんな噂が出てきたらしく、「おさむ、娘をあそこの事務所に入れて、本当に大丈夫なんだろうか?」と。
正直なところわからない。ネットで調べるといろいろ噂が出てくるのは本当だが、それが事実かもわからない。ただ、そこの事務所に僕も知り合いはいるし、売れているタレントが何人もいることは事実。
ネットでいろんなことが調べられる今、父親からしたら心配でたまらないだろう。
先日、ももいろクローバーZの有安杏果さんが突如、芸能界を引退して「普通の女の子」になると発表になった。有安さんだけでなく、去年1年でも、グループに入っていた女性、アーティスト活動をしていた女性、20代前半の子が、芸能界から引退するというニュースが少なくなかった気がする。
辞める理由はわからない。10年前だったら人気の女性タレントが引退することになったら、その辞める理由について、何があったのか? もっと気にしていたと思う。
事務所と揉めたのかな?彼氏ができて影響されたのかな? 親が介入してきたのかな?と。そこに「きな臭さ」を感じたものだ。
だが、YouTubeやインスタ、SNSを使って、有名になることの選択肢が増えて、その距離が短くなった今、芸能人と有名な一般人の境があいまいになってきている。
芸能人じゃなくても、SNSを利用し、芸能人よりもうけている女子だっている。
そんな今の時代に、女性アイドルやタレントが若い時期に引退することは、もはやきな臭いものではなく、芸能界を第一ステップと考えた人生プランだなと、本当に思える。