「うろたえず、冷静に投資を続けた人だけが大きな資産を築ける。そのためには、市場が下落したときに反対に上がる金融商品を投資対象に組み込んでおく」

 投資先は海外にも広げる。日本経済が崩壊し、円の価値が暴落する危険性もゼロではないからだ。実際、ロシアなどでは、自国通貨が事実上「紙切れ」になったことがある。日本も太平洋戦争直後はハイパーインフレで苦しんだ。円預金だけでなく、ドルやユーロといった通貨も持っておくと、万が一の時に役立つ。

 海外では欧米だけでなくアジアや南米など新興国にも目を向けるべきだという。欧米や日本のような先進国では、以前ほどの経済成長は見込めない。成長の余地が大きい新興国に投資しないと、高いリターンは期待できない。

 以上の点を踏まえ、具体的にどうするのかを聞こう。塚口さんは誰でもまねしやすく、少額で始められる方法を提案する。

 投資対象は日本株、外国株、国内債券、外国債券の4種類。さらに「代替投資」と言われる、国内不動産、金(ゴールド)、VIX(恐怖指数)の3種類を加えた計7種類。VIXは投資家のリスク許容度を測る物差しで、株価が下がれば上昇することが多い。市況が極端に悪化したときに利益を生み出す「保険」の役割がある。

 投資対象ごとにどんな金融商品があるのか、上場投資信託(ETF)など11商品を下記に示した。

【初心者におすすめの11商品】
●日本株
日経225連動型上場投資信託(ETF)
ニッセイ日経225インデックスファンド(投資信託)
●国内債券
三井住友・日本債券インデックス・ファンド(投信)
●外国株
iシェアーズ 先進国株ETF-JDR(MSCIコクサイ)(ETF)
ニッセイ外国株式インデックスファンド(投資信託)
●外国債券
上場インデックスファンド海外債券(Citi WGBI)毎月分配型(ETF)
三井住友・DC外国債券インデックスファンド(投資信託)
●国内不動産
NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信(ETF)
SMT J-REITインデックス・オープン(投資信託)
●金(ゴールド)
SPDRゴールド・シェア(ETF)
●VIX
国際のETF VIX短期先物指数(ETF)

 まずは無理のない範囲(例えば10万円)で最初の投資額を決める。そこに年収の10%を目安に、追加投資していく。頻繁に金融商品を買うと手数料がかさむので、半年に1回買うイメージだ。

 最初は日本株、外国株、国内債券、外国債券にそれぞれ投資額の20%(計80%)分を割り振る。残り20%分は代替投資の国内不動産、金、VIXで3等分(全体の約6.6%分相当)にする。

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