
犬山紙子(いぬやま・かみこ)(左)/1981年、大阪府生まれ。ニート時代に書いたブログを書籍化した『負け美女』(マガジンハウス)でデビュー。現在はイラスト・エッセイストとして多くの雑誌で執筆。テレビ、ラジオにも出演している。今年1月に出産。さまざまな生き方の女性たちにインタビューし、自らの妊娠、出産も描いた新刊『私、子ども欲しいかもしれない。』(平凡社)を6月に発売した。(撮影/写真部・岸本絢)
漫画家やベーシストとしてマルチに活躍する劔樹人とユーモアあふれる視点でエッセーをつづる犬山紙子。サブカル界で人気の2人は紆余曲折を経て、ついに結婚を果たしました。その結婚生活とは?
※「プロポーズは『怒りながら』 犬山紙子が結婚までの道のりを明かす」よりつづく
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――今年は長女も誕生し、家族が増えた。妻は子どもを持つかどうかは悩んだという。
妻:でも、6月に出た新刊『私、子ども欲しいかもしれない。』の取材で、いろんな女性たちの話を聞いてきて楽になったっていうか。皆さん、すてきな方たちだったんで。それで彼に了承を得て、運を天に任せることにしたんです。
夫:うん。
妻:そしたら、めでたく子どもができたので、じゃあ産むかと。そのことも本に書いたけど、夫の新刊『今日も妻のくつ下は、片方ない。』にも妊娠について描かれていましたね。ちょうどお互い連載中に妊娠がわかったから、同じ内容になった。
夫:そもそも面白く描けるか悩んで、結婚から1年たってやっと描き出した作品だったし、一冊のオチというか、結の部分で妊娠を描いて、自分の変化をしっかり入れたかったんです。
妻:子どもが生まれる前は仕事と育児の両立の大変さを覚悟してたんですけど、意外にできてますね。自分の時間も持てている。私、結構ドラクエやってるなって思うし。
夫:僕はゲームはやらないです。
妻:つるちゃんはハロプロ(ハロー!プロジェクト)のDVDを楽しそうに見てる。
夫:そうそう。
妻:子育てしてると家にこもりがちになるから、DVDのおかげで元気でいてくれるのを見ると、すごくいいなって思います。
夫:子どもが生まれてから、お互いのスケジュールを細かく確認するようになったぐらいで、まあまあストレスなくやれています。
妻:ケンカもない。
夫:彼女は昔に比べたら、本当に怒らなくなった。すごく優しくなりましたね。
妻:(笑)
夫:でも生活や僕の仕事も含め、彼女がかじを取って導いてくれているので、うまく生かしてもらっているとは感じています。