すぐれた戯曲はかならず普遍性を持つ、という持論を裏付ける例として、レオナルド・ディカプリオ主演の映画「ロミオ+ジュリエット」を挙げた。シェイクスピアの原作から、大幅に時代設定を変えながら、でもだからこそ若者の持つ焦燥感、グループ間の抗争、恋愛と友情など、いつの時代も変わることないリアルが胸に迫った。何度も何度も見返したくなる、大好きな映画になった。

 語学が堪能で、博識で、勉強家。さらにその知性に呼応する肉体も持つ鈴木さんは、俳優として快進撃を続けている。では、今自分は俳優人生のどの地点にいると位置づけているのだろうか。

「目標の3分の1は達成したかもしれないけれど、僕の中ではまだ始まったばかりのような気もしています。もしかしたら、大河が終わってからが、本当のスタートなのかもしれない。俳優にとって一番大事なことは、お客さんからの信用だと僕は思う。『あいつが出るなら、観てみよう』と、そんなふうに思ってもらえる俳優になるために、一作一作に全力を尽くすことしか、今は考えていないです」

週刊朝日  2017年10月6日号

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