向井理(むかい・おさむ)/1982年生まれ。明治大学農学部生命科学科卒。2006年デビュー。池井戸潤原作のWOWOWドラマ「アキラとあきら」では主演。祖母の手記を映画化した「いつまた、君と~何日君再来~」のDVDは11月22日発売(撮影/写真部・岸本絢)
向井理(むかい・おさむ)/1982年生まれ。明治大学農学部生命科学科卒。2006年デビュー。池井戸潤原作のWOWOWドラマ「アキラとあきら」では主演。祖母の手記を映画化した「いつまた、君と~何日君再来~」のDVDは11月22日発売(撮影/写真部・岸本絢)
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 舞台に立つことは、一種の“修行”であるという。2010年に連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」でブレークし、その翌年に初めて立った舞台が、青山円形劇場だった。

「俳優という職業に就いたからには、舞台は、避けて通れない道だと思っていました。初舞台では、360度あらゆる角度から観客の視線を浴びる体験をして、それが毎日続くことや、逃げ場がないこと、NGも出せない緊張感とか、いろんなものがプレッシャーとなって連日のしかかってきた(苦笑)。でもだからこそ劇場には、独特のエネルギーが生まれるということもわかりました」

 昨年の10月に立った舞台「星回帰線」では、脚本と演出を担当した蓬莱竜太さんと、「どういう舞台にしたいか」を徹底的に話し合った。

「東京での公演は300席の劇場で、地方でも、700人以下のキャパシティーという条件で、上演する劇場を決めました。それは、大きな劇場では、蓬莱さんが描く世界観がきちんと伝わらないと思ったからです。その舞台は、『髑髏城の七人』でお世話になる劇団☆新感線の中島かずきさんといのうえひでのりさんも観にきてくださって、とくに中島さんは、『いろいろインスパイアされたよ』とおっしゃっていました」

 3月末から始まった劇団☆新感線の「髑髏城の七人」は、日本初の回転する客席でも話題だが、何より“花・鳥・風・月・極”からなるシーズンごとに、キャストと脚本、演出が変わることで注目を集めている。その“シーズン風”で向井さんが演じる無界屋蘭兵衛は、“シーズン花”では山本耕史さんが演じた。

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