年度別件数(危害・危険)/年代(危害・危険)/健康被害の滋養強(危害)(週刊朝日 2017年9月8日号より)
年度別件数(危害・危険)/年代(危害・危険)/健康被害の滋養強(危害)(週刊朝日 2017年9月8日号より)
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 健康志向の高まりで、日常的に利用する人も多い家庭用フィットネス器具。一方で、骨折ややけどなど重傷を負った例も報告されている。使い方を誤ったり、体力や筋力に合わない器具を使ったりすると、ケガの原因になりかねない。自分の使い方や扱いに危険はないのか。改めて確かめてみよう。

 ビリビリ──。神奈川県在住の30代の女性は、電気刺激で筋肉の収縮運動を促す家庭用の腹筋器具の使用中、腹部がしびれるような感触に襲われた。見るとへその周囲が5センチ四方にわたって赤い。

 女性が使っていたのは、「EMS器具」と呼ばれる家庭用のフィットネス器具。テレビショッピングで“電気を流すことで腹筋ダイエットができる”と宣伝していたのを3万円で購入した。本体と皮膚に貼り付けるパッドで1セットとなっていたが、パッドは消耗品で、別途4千円かかる。

 商品には「パッドは月に1回の交換」とうたわれていたが、女性が使ってみると半月ほどでボロボロに。交換品が届くのを待てずに、少し傷んだパッドを使ってしまったという。病院を受診すると、やけどをしていたことがわかった。

 自宅にいながら手軽に体を鍛えたい、簡単にダイエットをしたい──。そんな“インドア系健康志向派”の購買意欲をくすぐるのが、家庭用フィットネス器具だ。だが、その一方で、こうしたフィットネス器具によるケガや事故の報告は後を絶たない。

 国民生活センターが最初にこの問題について注意喚起したのは、2012年。「ゴム製のエクササイズ器具で目を強打して、視力が低下」「乗馬型の運動器具で腰痛に」といった相談事例が紹介された。

 一昨年には、中部地方で腹筋補助器具によって40代の男性が窒息死するという事故も起きた。背もたれの部分などにネックレスが引っかかっていたことから、家族が「窒息は製品の欠陥が原因」として、輸入販売会社を提訴した。

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