妻は歌唱力で人気を博した元アイドル歌手で俳優の仁藤優子さん。夫は舞台俳優から声優へと活躍の場を広げ、洋画の吹き替え、ゲームにアニメ……と八面六臂の西凛太朗さん。笑いの絶えない夫婦の馴れ初めとは?
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妻:今は親子3人で、空手を習ってるんです。
夫:僕は若いころ、ちょっとやったことがあって。
妻:息子は6歳なんですけど、子どもって元気があり余ってるじゃないですか。
夫:僕がちょっと蹴ってみな、殴ってみな、って相手をしてるうちに、ちゃんと空手、習ってみる?と。
妻:子どもが習い始めたのを見てたら、私もやりたくなっちゃって。
夫:おかげで空手の試験前なんて、僕が練習台ですよ。2人からボコボコにされて、あざだらけ。
妻:夜、すっかり寝る支度もできてるのに、突然、父と子で空手が始まるの!
夫:(笑)
妻:寝てくれよー! 今さら汗かくようなことするなーっ!って。
夫:始まっちゃうんだよね。
妻:まさか、こんなに子煩悩な父親になるとはねえ。
――芸能界にいても生きる世界が違った
夫:小学校のときは、確かに演劇部でしたね。
妻:へぇ! 知らなかった!
夫:そうなんだよ。でもその後、文学青年だったとか、そんなこと全然なくて。
妻:でしょうね(笑)。
夫:とにかく松田優作さんに憧れてた。優作さんが文学座だったから、そうか、じゃあ受けよう!
妻:単純!
夫:みんなそうだったんだよ。文学座のオーディションは、松田優作みたくなりたい人だらけだったもの。
妻:でも、受かったんだから大したもんじゃない。
夫:まあね。でも親は大反対。父親は大阪で建築会社を経営してたんですが、劇団員=食えない、って感覚でしたから。やめとけやめとけ、って。
妻:厳しい世界だもんね。
夫:それがあるとき、取引のある銀行の人から「息子さん、何してるんですか?」って聞かれて、文学座にいます、と。そしたら「大したもんですよ。息子さん、大丈夫ですよ」って言われたらしくて。