「官邸の顔色ばかり見て何もできないのでは……」
だが、最も交代すべきだったのは、首相自身。伊藤氏がこう批判する。
「安倍内閣の支持率急落危機は、大臣の任命責任も含めてほとんどが安倍さん自身の問題が要因だ。中身を代えても表紙が代わらなければ評価できない。文科省と防衛省で内部文書が流出するなど官僚の反乱が起き、霞が関へのグリップ力はかなり緩んできている」
新内閣発足時に政権中枢が神経を尖らせるのが、スキャンダル危機だ。さっそく新閣僚の一人が約20年前、売春防止法違反などで摘発されたパーティーに参加していたのではないかとの疑惑が取り沙汰されている。
「女性関係など複数の閣僚にスキャンダル情報が流れている」(角谷氏)
多くの思惑とスネに傷を抱えながら多難の船出のようだ。(本誌・亀井洋志、小泉耕平)
※週刊朝日 2017年8月18-25号