小塚が公の場で、ソチ五輪の話をすることはほとんどなかったが、淡々とこう語った。
「ソチでの真央の演技は日本で見ていました。あの場は不思議。五輪は一番集中できた場で、あそこに行くと感じるものが違うんですよ」
フィギュアスケートを日本に伝え、「スケートの父」と称される小塚光彦氏の孫で、幼い頃から英才教育を受け、スケーティング技術では世界でもトップレベルといわれた小塚。浅田真央もその技術には一目おいていた。
来年の平昌五輪では男子はジャンプ4回転時代となり、羽生結弦の2連覇も期待されるが、小塚はスケートはジャンプだけではないという。
「ジャンプだけを評価するのではなく、スピン、ステップなど表現のすべてを見てもらえるといいなと思う」
浅田真央や小塚のような、美しいスケートで世界の人々を魅了する選手がこれからも活躍することを期待したい。「スポーツは芸術」なのだ。(本誌・大崎百紀)
※週刊朝日オンライン限定記事