ブランパンが並ぶローソンの売り場 (c)朝日新聞社
ブランパンが並ぶローソンの売り場 (c)朝日新聞社
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 もっと豊かに、便利に、楽しく、おいしく……。モノがあふれる今の時代も次々と新商品が生まれ、ほかの商品と格段に違う売れ行きをみせる。ヒット商品の有無を手がかりに、2016年度の企業決算を振り返る。

 明治が昨年9月に発売した「ザ・チョコレート」は、計2千万個以上売れたヒット商品。ベネズエラ産など厳選したカカオ豆を使うこだわりの品で、半年間の販売目標をわずか2カ月で達成した。

 商品名とともにシンプルで洗練されているのが、包装。菓子は中身の写真や絵を使ったにぎやかな包装の品が多いが、「あえて情報をそぎ落とし、カカオの素材が伝わりやすいパッケージにした」と明治の担当者。

 シンプルなデザインでありながら色や種類が豊富で、「インスタ映えする」とネット上などで話題に。写真共有アプリのインスタグラムに、箱をスマホケースにしたり、しおりとして切り抜いたりする画像の投稿が相次いだ。担当者も「うれしい誤算だった」と振り返る。

 明治は近年、機能性ヨーグルト「R-1」などヒット商品が相次ぐ。売上高と、本業のもうけを示す営業利益はともに2016年度まで5年連続で伸び、高い商品力で好業績が続く。

 看板商品の刷新で成功したのが、キリンホールディングス(HD)。16年度の営業利益は前年比約14%増、純利益も前年の赤字から大幅な黒字に転じた。

 昨年3月にリニューアルした「生茶」は、16年度の販売量が2620万ケースと前年比44%増。計画を2度上方修正し、当初目標の1.5倍以上に伸びた。

 生茶は00年に発売されたが、近年は売れ行きがピーク時の半分ほどに落ち込んでいた。そこで2年の歳月をかけて、商品を根本から見直した。生まれたのが、最新技術で細かく砕いたかぶせ茶の粉末茶を加え、余韻を残す味。「ヒントにしたのがハーブをちぎると香るイメージ。茶葉をまるごと食べるようなコンセプトにした」(同社)という。

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