唐沢寿明/1963年生まれ。東京都出身。代表作にドラマ「愛という名のもとに」(92年)、「利家とまつ」(2002年)、「白い巨塔」(03・4年)、映画「20世紀少年」シリーズなど。舞台でも蜷川幸雄、野田秀樹、三谷幸喜らとタッグを組む(ヘアメイク/池田慎二[mod's hair]、スタイリスト/勝見宜人[Koa Hole inc.]、撮影/加藤夏子)
唐沢寿明/1963年生まれ。東京都出身。代表作にドラマ「愛という名のもとに」(92年)、「利家とまつ」(2002年)、「白い巨塔」(03・4年)、映画「20世紀少年」シリーズなど。舞台でも蜷川幸雄、野田秀樹、三谷幸喜らとタッグを組む(ヘアメイク/池田慎二[mod's hair]、スタイリスト/勝見宜人[Koa Hole inc.]、撮影/加藤夏子)
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 売れない時期と売れた時期。テレビドラマで主演を張って、次々に高視聴率が取れた時代と、なかなか取れなくなった時代。足掛け38年に及ぶ俳優生活で、様々な時代を経験してきた。でも唐沢寿明さんは、「あの頃はよかった」とは決して口にしない。

「時代の変化が、“予測していたよりも早いな”と思うことはあるけど、もともとが飽き性なので、変化の中にいるのが嫌いじゃないんだろうね。そもそも、自分の好きな仕事を続けてこられただけでも有り難いことだし、出演した作品は、数字(視聴率)がよくなかったものでも、自分としては面白かったと思えるものばかりなんです。数字が悪くて中身もつまらない作品ならともかく、中身が面白かったら、数字が多少悪くても、関わった人たちは自信を持っていい。ちゃんと観て、楽しんでくれた人は絶対にいると思うから」

 端からは絶好調のように見えた時期でも、常に危機感はあった。たとえば2003年に「白い巨塔」の主演オファーがあったときは、共演が決まっていた江口洋介さんと、「トレンディードラマほど数字は取れないかもしれないけれど、15%ぐらいはいくように宣伝にも力を入れていかないと」と話し合ったという。

「それまでの俺たちは、世間からすれば、“アイドル俳優”的なイメージで見られてて(苦笑)。でも、『白い巨塔』のオファーがあったとき俺は39で、大人の俳優に変わっていかなきゃならない時期だったし、それがちょうどドラマがトレンディーから社会派に変わっていくタイミングと合致したのはラッキーだったと思う」

 時代の変化に乗り遅れないように。リスクは覚悟の上で、新しさを感じる作品には積極的にチャレンジする。動画配信サービスHuluのオリジナルドラマ第1弾として制作され、後に地上波で連続ドラマ化された「THE LAST COP/ラストコップ」も、オンデマンドで視聴者がお金を払って観るドラマだということが出演を決めた最大の理由だった。

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