倒産会見を行ったてるみくらぶ (c)朝日新聞社
倒産会見を行ったてるみくらぶ (c)朝日新聞社
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 格安ツアーで有名だった「てるみくらぶ」のずさんな経営が次々と明るみに出た。負債総額約151億円のうち、顧客分は約99億円で、申し込み済み利用者は8万~9万人とされる。その一人である記者が青ざめながら探った、旅行代金を取り戻す方法、怪しい会社の見極め方とは? 記者の伊藤あゆみが取材した。

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 最初の異変が報じられたのは3月24日金曜日。てるみくらぶの「発券システムにトラブルが生じ」、旅行者が発券済みの航空券や予約済みのホテルを利用できなくなっているというものだ。同社は出発間際の利用者に対し、「発券済みの航空券はご利用頂けるかどうか現時点で確認できておりません」と意味不明のメールを送り、大阪・名古屋・福岡・札幌の支店は臨時休業になっているという。

 ニュースを見ながら、頭からサーッと血が引く音がした。

「……もしかして倒産?」

 そう、記者はてるみくらぶの格安ツアーに申し込んだ一人なのだ。

「◆◇緊急タイムSALE~2/23の12時までの現金一括入金対象~◇◆ベストシーズンが破格!ベトナム人気のビーチリゾート・ダナン♪ 成田発 【5日間】《現金一括入金限定》ベトナム航空往復〈直行便〉利用!毎朝食&往復送迎付き♪【スーペリアクラスホテル】」

 このツアーが掲載されたメルマガが届いたのは2月22日。翌23日までの「現金一括入金」が条件とは、ずいぶん乱暴だなと思った記憶はある。しかし、直行便で毎朝食&往復送迎付き? スーペリアクラスホテル? それなのに費用は、なんと1人3万4800円から!こんなチャンスは二度とないかも……というわけで、7月出発のツアーを2人分予約し、まんまと翌日、諸費用(空港税など)込み8万1220円也を振り込んでしまったのだ。

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