菅義偉官房長官は、安倍首相も昭恵氏も寄付をしていないと反論。一方、自民党の竹下亘国対委員長は「首相に対する侮辱だ」として、これまで拒否し続けていた参考人招致より重い、籠池氏の証人喚問に応じる強気の姿勢に転じた。
真っ向から対立する両者の主張。ウソをついているのは、どちらなのか。自民党の総裁派閥・清和政策研究会の中堅議員はこう話す。
「証拠がなければどうしようもない。証人喚問でも裁判になっても籠池氏が負けるだけだよ」
だが、民進党幹部は強気にこう語った。
「籠池氏は100万円の寄付のうち10万円を昭恵氏に戻したとも語っている。問題発覚後から最近までに、籠池夫人宛てに昭恵氏が送ったとされるメールが残っているという。安倍首相も把握していたようだ」
籠池証言を裏付ける証拠の存在が今後の焦点になってきそうだ。前日の15日、上京した籠池氏から東京都港区の自宅で事情を聴いた著述家の菅野完氏は、本誌の取材にこう語った。
「渡された現ナマは森友学園名義で寄付口座に入れられ、昭恵氏の痕跡が残らないようになっている。現金のやり取りをしたのは、昭恵氏が小学校の名誉校長に就任した日です」
菅野氏は17日、籠池氏側から提供された寄付者名簿と郵便局の払込票をネットで公開。寄付者名簿では昭恵氏が寄付したとされる100万円は森友学園名義にされており、郵便局への入金は15年9月7日と記録されていた。同日付の払込票の「依頼人」の欄では当初、「安倍晋三」と書いた手書きの文字を修正液で消し、「森友学園」と直した痕跡が残されていた。
国会で籠池氏の証人喚問が行われるのは3月23日。どんな証言をするのか。ヒントとなりそうなのが、籠池氏が菅野氏に話した内容だ。菅野氏はこう説明した。
「籠池氏は、3年くらい前から急に役所が小学校開校の計画に好意的になったという印象を抱いていた。大阪府私学課も、財務省近畿財務局も、後押しをするようになったと話した」