高級ポテチの勝算やいかに
高級ポテチの勝算やいかに
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 湖池屋が2月6日に発売した高級ポテトチップス「KOIKEYA PRIDE POTATO」(1袋63グラム、税抜き150円前後)が手に入らない。販売計画を大きく上回り、3種類のうち、14日に「魅惑の炙り和牛」、20日に「松茸香る極みだし塩」の一時販売休止を発表。店頭に並ぶのは「秘伝濃厚のり塩」。どんな商品なのか、担当者に聞いた。

「ポテトチップス業界は少子化の影響もあって、売り上げは横ばいから少し下降気味。参考にしたのがビール業界やチョコ業界です。“高級感”をキーワードに、少しぜいたくなポテトチップスを、と考えたのがスタートです」

 サントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」などに代表されるプレミアムビールに、カカオ含有量が多く少々高価なチョコレートは、市場に定着しているだけに、その狙いは明確だ。

 気になるお味は……。

「懐石料理を参考にしました。ポテトチップス作り55年の歴史の中で培ってきたノウハウをつぎ込み、『和』をイメージする上品な味を追求しています」

 湖池屋といえば、「スコーン」「ドンタコス」「ポリンキー」など、印象に残るCMでおなじみだが、今回も例外ではない。「100%日本産のいもを使っているの」と、制服姿の女の子が声を張り上げて歌うCMが話題を集めている。

「商品とともに、CMへの反響も大きく驚いています」

 他のメーカーはどう見るか。国内シェア約7割を誇る“王者”カルビーは、

「特にコメントすることはございません」

「わさビーフ」で知られる業界3位の山芳製菓は、

「業界全体が盛り上がればいいなと思っています」

 カルビーの一人勝ちが続く業界に一石を投じることはできるか。

週刊朝日 2017年3月17日号