共産党の小池晃書記局長によって、自民党の国会議員がかかわっていることが明らかになった。鴻池祥肇元防災担当相である。2014年4月に参院議員会館の事務所で籠池理事長夫妻と会っていたのだ。鴻池氏によると、そのときに籠池夫人が紙包みを出したが、「無礼者!」と言って投げ返したという。だが、カネが入っていたともとれる紙包みを出したということは、何か大事なことを頼みに来たのであり、それは国有地払い下げにかかわることであろう。それにしても、なぜ鴻池・籠池の面談記録を共産党が入手できたのか。この事件には謎が多い。

 実は、あるテレビ局が森友学園の問題で自民党と民進党との討論を企画し、私に仕切り役を依頼してきたのだが、自民党議員の誰もが逃げて、企画は成立しなかった。ただ逃げているのではなく、なぜか怖がっているのである。

週刊朝日 2017年3月17日号

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田原総一朗

田原総一朗

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年、滋賀県生まれ。60年、早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。64年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。77年にフリーに。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。98年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。早稲田大学特命教授を歴任する(2017年3月まで)。 現在、「大隈塾」塾頭を務める。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)、『激論!クロスファイア』(BS朝日)の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数

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