「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」が2月25日公開される。シリーズ構成を担当した福井晴敏さんと古代進役を務めた小野大輔さんが、タイトルにもある“愛”の意味を語り合った。
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小野大輔(以下:小野):福井さんにお聞きしたかったのは、「愛の戦士たち」の“愛”。これは、どのような愛を描こうとされているのでしょうか。
福井晴敏(以下:福井):旧作での愛は、一方向から見た愛。沢田研二さんによる主題歌「ヤマトより愛をこめて」の歌詞「愛するひとのためだけでいい」、まさにこれだと思うんです。それはひとつの真実なのですが、大勢の人が愛する人のためだけに生きたとき、どんなことが起こってくるのか。愛する“人”ならまだしも、愛する“国”や愛する“神様”、それぞれ異なる愛するものができたときに、争いが生じたりする。愛というものが、そもそも正しい概念なのかという。
小野:愛は、大義名分でもあるし、真理でもある。古代進という人の描かれ方は旧作と異なる部分もあるとは思いますが、一貫しているのは、雪への本当に真っすぐで純粋な愛。それはずっと不変だと思っているので。「2202」では、雪への愛が試されるのかな?
福井:相当試されますよ。
小野 アフレコでは、気恥ずかしい場面もありましたよ(笑)。
福井:僕は、同じことされたら多分折れちゃうな。
小野:本当ですか!? ……ちょっと覚悟しておきます。だけど、二話目では、けっこうラブラブなシーンがありました。
福井:あそこは本当によくやっていただいて。
小野:微笑ましいシーンで、平和な地球を象徴するいっぽう、これがいつまでも続くわけないなとも思う。
福井:あれは「さらば」にはないシーンなんですよ。「さらば」では、地球に帰ってきた古代を雪が出迎えて、そのままあの時代の大塚家具に行くんです。
小野:IDCですか!?
福井:そうそう。それで雪が、「古代くんの書斎にはこんな本棚を置いて」とか将来のプランを嬉しそうに語っているのに、古代は「うん、うん」と生返事するだけで。ダメなんじゃないか、この二人って、大人になると、そう見えちゃう(笑)。