第二の「逃げ恥」は? 1月開始の冬ドラマを視聴者視点に立ち、TVウォッチャー・カトリーヌあやこさんと放送作家・山田美保子さんが語りつくした。
──視聴者に最も寄り添っている局はどこ?
カトリーヌあやこさん(以下カトリーヌ):テレ東やテレ朝は年配にも優しいです。わかりやすいドラマが多いから。「就活家族」(テレビ朝日系)は、平成版「岸辺のアルバム」。建てた家が“川の前”(笑)。
山田美保子さん(以下山田):家族がそれぞれに問題と秘密を抱えている。大人のドラマだよね。
カトリーヌ:今、女子が見る「水10」と「月9」は、やたら結婚したがっていますよ。
山田:テーマも時代によって波がある。そのものズバリな「ヴァンサンカン・結婚」とか。トレンディードラマは格好いい職場ですてきな恋愛、次に結婚、出産、子育て、プロフェッショナルな女性、今また堅実な結婚、めぐってるのね。
カトリーヌ:“専業主婦願望”が今のリアリズムなんですね。
山田:「下剋上受験」(TBS系)もリアル。原作はガテン系の父の体験本(娘の有名私立校受験)。その原作者が「自分の人生は消化試合みたいだと思ったがこんないいこともある」とコメントしていて、応援したくなっちゃったのよ。
カトリーヌ:その裏の「お母さん、娘をやめていいですか?」(NHK)では、逆にこじれた親子関係を描いていて興味深い。
山田:この枠は、大石静さんや井上由美子さん、北川悦吏子さんとか力のある女性が書いている。内館牧子さん含め脚本家で見てきた層がドラマ好きな年代なのよ。
カトリーヌ:結局、同じ世代がずっと見てる。
山田:だから私たちの世代をないがしろにしちゃいけない。本当に(笑)。
──ネットによって視聴者のドラマの見方も変わってきた。その影響は?
山田:例えば、ツッコミ待ちのドラマ。今季でいえば、竹野内豊にソックリな大谷亮平出演の「奪い愛、冬」(テレビ朝日系)。倉科カナと共演しているから、ドキドキ!(笑)