「日本人としての誇りを持つ(略)子どもを育てます」と安倍昭恵・首相夫人が名誉校長を務め、今春に開校予定の日本初の「神道の小学校」を巡り、ある“疑惑”が浮上している。
小学校を運営する学校法人森友学園(大阪市)が昨年6月、激安価格で国有地の払い下げを受けていたというのだ。
問題の土地は大阪府豊中市の8770平方メートルの国有地。財務省近畿財務局が2013年に公募し、公益目的を優先する「公共随意契約」で売却先が決まった。木村真・豊中市議が情報公開で売却金額の開示を求めたが、非公開とされたため、2月8日に民事提訴した。
だが、その2日後に近畿財務局は突然、価格を1億3400万円と公表。その理由を「相手方の公表同意が得られなかったため非公表としていたが、9日に同意が得られた」とした。
この金額に地元は驚いた。10年3月、豊中市が問題の土地のすぐ東に隣接する土地を公園整備のために購入したが、9492平方メートルで14億2300万円。1平方メートルあたり約15万円。だが、学園が買った土地は約1万5千円で、10倍の開きがある。近畿財務局は「地下のゴミ撤去費として8億円を割り引いた」と釈明。豊中市が購入した土地にも同じゴミはあった。学園は大阪市淀川区で幼稚園も経営するが、毎朝、教育勅語を朗読するという異色の教育方針で、開校予定の小学校には神社も造られた。学園の理事長、籠池泰典氏は日本会議大阪の役員だ。
「あまりの激安で『政治銘柄らしい』とうわさになりました」(財務省関係者)
近く民進党は国会でこの問題を追及する構えだ。
「昭恵夫人が名誉校長、学園の理事長が日本会議幹部となれば、裏で何かがあったのではないかと誰でも思う。そこを徹底追及する」(民進党幹部)
※週刊朝日 2017年2月24日号