北原美顔。サロンには女性芸能人がひそかに通うとか。北原美顔。サロンには女性芸能人がひそかに通うとか。

オリジナルの化粧品も販売している。オリジナルの化粧品も販売している。

営業時間は10時半~19時半(美顔術は11時から)。定休日は、日曜、月曜、祝日営業時間は10時半~19時半(美顔術は11時から)。定休日は、日曜、月曜、祝日

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋で話題の流行(はや)りモノを紹介する。今回は、エステティックサロン「北原美顔」について。

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 私がここのサロンを知ったのは大学時代のこと。ある女優から教えてもらった。

 そのサロンは「北原美顔」。「場所は秋葉原の電気街の近くなんだけど、元祖エステティックサロンと言っていいと思う」と。

 オリジナルの化粧品もあって、彼女は「足りなくなると心配になっちゃって、ロケ先に送ってもらうこともある」と言っていた。

 こういう話を聞くと、すぐに行って体験してみたくなるタイプの私。早速、予約を入れ、体験してきた。

 住所は外神田だが、確かに電気街から近い。だが、店構えは、原色のネオンサインやPOPだらけの電気量販店とは全く異なり、昭和の理髪店か歯科医院のような構えだった(当時)。

 店内も、エステティックサロンのそれとは大きく異なり、ベッドではなく、歯科医院の診察いすのような台が並び、先生やスタッフのユニホームも歯科衛生士のようだった。

 のちに“ドクターズ・コスメ”という言葉が一般化したころには「北原の化粧品こそ、元祖ドクターズ・コスメと言っていい」と言う美容ジャーナリストも。

 創業1901年。115年を超える「北原美顔」の創始者は医師の北原十三男(とみお)氏。日本で初めて無鉛毒かつ無公害な肌色のおしろいを考案したことに始まるというから、確かにドクターズ・コスメと言える。

 さらに「北原美顔術」と呼ばれるテクニックもまた、元祖エステティックサロンと呼ぶにふさわしい。

 なんと「北原~」の正式な社名は、日本化粧品株式会社。こんなにストレートでズバリな社名であることが、すべてにおいて「元祖」であるゆえんだろう。

 もちろん、ただ歴史が古いだけでなく、その時代、時代で異なる肌のトラブル原因に着目し、的確に判断してきた実績にも定評が。

 昨今、若手人気女優の多くは化粧品会社とCM契約を結んでいるため、ここだけの話、本当の愛用品を大っぴらには紹介しづらくなっている。

 また、キャリアのある女優であっても、何かと“お付き合い”があって、同じく、愛用品というのを公にしにくいものである。

 だが、「北原美顔」で私は、女性芸能人のさまざまなエピソードを知った。たとえば、往年のアイドルが、同サロンに通い詰め、ニキビを完治させたとか、日本を代表する大女優が、長年、「北原美顔」の顧客だとか。特にニキビ、毛穴の開き、黒ずみなどの悩みの解消に真摯に向き合う施術に定評がある“元祖・女優美容”なのである。

週刊朝日 2017年1月20日号