新年が始まり、神社に初詣に出かけた人も多いだろう。健康、合格祈願、家内安全、仕事の成功などをお願いしたのではないだろうか。実は時代の覇権を握った天下人、つまり武将、政治家、財界人に至るまで成功した人にはある共通点があった。それは神社に行っているのだ。
まず武将では武田信玄が諏訪大社を篤く崇拝し、戦の前には必ず神社に戦勝祈願をした。
織田信長は桶狭間の戦いの前に熱田神宮で戦勝祈願し、今川義元を討てたのは神が味方してくれたからと信じ、お礼として築地塀(信長塀)を寄進した。
さらに徳川家康においては、鹿島神宮、石清水八幡宮などあらゆる神社に詣で、それらを篤く信仰した。
経営者では、経営の神様と言われる松下幸之助が石清水八幡宮を信仰し、著書に「手を合わすという姿は、ほんとうは神仏の前に己を正して、みずからのあやまちをよりすくなくすることを心に期するためである」(『道をひらく』)と書いている。松下幸之助は、関東大震災で焼失した神田明神の随神門を寄進するほど信心深かった。
京セラ名誉会長の稲盛和夫は万策尽きた技術者に「おい、神様に祈ったか?」と声をかけたこともある。京セラの長野岡谷工場には神社があり、7年に一度、御柱祭が行われてもいる。
福岡県宗像市に生まれた出光佐三は地元の宗像大社を篤く崇拝し、荒廃した宗像大社を建てなおすべく私財を投じ、昭和の御造営を成し遂げることに成功した。
政治家では吉田茂が箱根神社を、小泉純一郎は地元横須賀の走水神社、現在の総理大臣である安倍晋三も磐(いわ)神社を安倍家の祖として信仰している。静岡大学名誉教授の小和田哲男さんはこう言う。
「神社に行き、祈願することで、確かに成功する可能性は高まると思いますね」
なぜ神社に行くと成功するのだろう。神社の持つパワーを探ってみる。
そもそも日本人は太陽、月、さらには山や海などの自然や、狐や狼などの動物を信仰していた。自分ではコントロールできないものに神が宿ると考えたのだ。