東京都五輪・パラリンピック準備局に尋ねると、「徐々に下水処理場の貯留槽を増やすなどの対策をとっており20年までには改善が期待できる」とのこと。一方、青潮などによる生物の死滅については、都の環境局の担当者が「普段から赤潮や青潮の原因となる海水の富栄養化を抑制するため、排水の規制などに継続的に取り組んでいます」と説明したが、今のところ五輪に向けて特別に手を打つ動きはないようだ。前出の須賀氏はこのように語る。
「赤潮や青潮の問題は簡単に解決しないでしょうが、数十メートルおきに酸素を供給する生物の避難所をつくるなど局所的な対策も考えられます。せっかくの東京五輪なのだから、競技をして終わりではなく、これを機にきれいな江戸前の海を復活させて、世界にアピールできるようにしてほしい」
東京はハコもの以外の“レガシー”も残せるのだろうか。
※週刊朝日 2016年12月30日号