「何しとんねん。“超変革”で、若手を育てるんやったんちゃうんか?」
阪神の球団周辺からは、最近こんな声が漏れ聞こえてくる……。
オリックスから阪神へフリーエージェント(FA)移籍した糸井嘉男外野手(35)の入団会見が11月25日に行われた。スポーツマスコミは、Bクラスに沈んだ阪神の救世主扱いだが、「そもそも糸井を欲しがっていたのは金本知憲監督だけ」(ベテラン記者)で、実は疑問を呈する声が多い。
「選手たちに『競争だ』と言い続けてモチベーションを高めた金本監督は、126通りのオーダーを組んで支配下登録の野手35人中31人を1軍で使った。若手の発掘と育成をしながら勝とうとしたのが超変革だったのに、『初めての恋人』なんて言って糸井を口説いてレギュラーを確約してるんだから、今シーズンは何だったの?となりますよ」
と前出の記者。監督の心変わりを指摘する。
「スローガンを“超変革”から“挑む”に変えたでしょ。挑むのは優勝で、なりふり構わぬFA補強はそのため、ってことでしょう」
阪神が糸井と交わした契約は4年18億円(以下、金額は推定)。糸井の今季年俸は2億8千万円だったが、オリックスが引き留めのために破格の条件を提示し、阪神も同等の条件で誘うことになったからだ。