吉田さんは、共演の石田ゆり子にも注目する。
「今まではしっとり色っぽい役が多かったけど、年齢的にもつらくなってきた。そんななかで“天然ボケのまま五十路を迎えたキャラ”がハマりましたね」
さて、今秋ドラマで、異彩を放つのが、TBS日曜劇場「IQ246~華麗なる事件簿~」だ。主演は久しぶりの連ドラの織田裕二。1話完結の推理もので、貴族の末裔にしてIQ246という異能の探偵役の織田が事件を解決する。ただ、織田の話し方がヘンなのだ。「古畑任三郎ソックリ」「刑事コロンボのまねだ」「相棒?」など、視聴者がザワついている。
制作側の意図を、番組プロデューサーの植田博樹さんに聞いてみた。すると意外な事実が明らかに。
「このキャラは、基本的には織田さんが考えたもの」
織田といえば役作りに徹底的にこだわることで有名だ。植田さんによると、ポスター撮りの段階で“格好いい”か“斜に構える”か、とさんざん悩んだ末に、本読みのときに現在のキャラが生まれたという。
「織田さんの演技がネットで突っ込まれていますが、図らずもドラマの形式が影響したかもしれません。ミステリーの倒叙法(最初に犯人が明かされて物語が展開)のため、IQ246と古畑任三郎と刑事コロンボには共通点があるので」
決して「パロディーではない」と植田さんは強調したものの、織田自身がこう漏らしたそうだ。
「どれにも似せないようにしようとしたら、結局全部似ちゃった……」
今後、倒叙法ではない回もあるようなので、さらなる織田のキャラ進化もありえるかも。
※週刊朝日 2016年11月18日号より抜粋