
このスリーショット、おもしろいよな。まず窪塚洋介クンはスリーピースとツーブロックの髪形で、ちょい枯れ男を演出したのかね。でもパーカーにも合いそうな靴だったりで、どっかこなれてない。やっぱり彼はチャラいストリート系が一番。背伸びしてる感がありありだよ。
かたや逆のアピールをしているのが浅野忠信クン。ここであえてベージュのスーツを選ぶあたり、若さへの執着が見えるもの。実はあたしは彼のファンなんだけど、やっぱりスーツに煩悩が見えるわな。
そこで、真ん中の真打ち、マーティン・スコセッシ監督の登場だよ。一見、腹話術の人形……いやいや、小さめサイズといい、サテンのチーフといい、スーツの色気アピールにまったく手抜きがない。極めつけは、クロコダイルのコンビの靴だよ。足元にこだわる男は女好きが多いっていうけど、女性カモーン!っていうメッセージを全身から痛いほど発してるよね。
ま、若いけど、迷いが見える2人に比べたら、迷いゼロで色気アピールまっしぐらの巨匠のスーツのほうが、断然かっこいいよな。2人もよく見て、こういう巨匠、目指してくださいって。(構成・福光恵)
※週刊朝日 2016年11月4日号