「国が上から抑えつけるようなやり方に、地元の保守系の議員たちからも反発があった。もともと泉田さんを支えていたのは保守系で、新潟は自民党イコール原発推進、再稼働推進というわけではない。原子力・エネルギー政策があまりにも民意とかけ離れており、安倍政権はドラスティックな転換点を迎えざるを得ないのではないか」
評論家の孫崎享氏は、知事選の結果をこう見る。
「従来の政治の対立軸や、政党の枠を超えて市民の力が結集した。米山さんの画期的な勝利だったと思います。自公側は最初から勝てるという慢心があり、形勢がいつのまにか逆転していた。原発に対する不安が高まる中、今後もこうした現象が起きるのではないか」
川内原発停止を掲げた鹿児島県知事に続く「脱原発知事」の誕生。再稼働を強引に進める中央の横暴を、地方は拒否し始めている。(本誌・亀井洋志、大塚淳史、吉﨑洋夫、秦 正理/今西憲之)
※週刊朝日 2016年11月4日号