別の人が立候補して、新潟県の未来を語る選挙に、県民の生命、安全、健康をどうするかということを語る選挙にしてほしいと思います。私が出たら船の問題だけになってしまう。

──惜しむ声もあります。後継者はどうしますか。

 マスコミは後継者として意中の人の有無ばかりを聞いてきます。後継指名はしません。私が指名したら同じことになる。周囲にも迷惑がかかる。具体的な内容は言えませんが、リスクを予感させるようなこともあったので……。ただ、すでに立候補した森氏の対抗馬は出てくると期待しています。地方創生、原子力防災、原発にどう向き合っていくのか心配している人が大勢いるためです。県民の気持ちを受け止める候補が出てくればよいと思います。

──小説『原発ホワイトアウト』(講談社・若杉冽著)にあった「電力のモンスターシステム」、そして泉田知事をモデルにしたとみられる登場人物の「新崎県の伊豆田清彦知事」を連想させるような展開にも思えてきます。

 今回は事実に反する記事について新潟日報と対立しているわけですが、小説のようなシステムがあるのかもしれませんね。大勢の人にリスク、迷惑をかけるよりは、きれいな、全くしがらみのない人が新潟の未来を議論したほうがいいと思いませんか。

──任期満了後はどうするおつもりですか。

 何も考えてないです。
 
今回起きていることで、原子力防災を語る機会が失われている。知事候補が私じゃなければ、やっぱり原子力防災、原発が争点になる。そのためにも身を引いたほうがいい、という判断です。原子力防災、原発について心配している人も多く、これを受け止める政治的素地は新潟にあると思う。

 老兵はただ去るのみ。知事選は県民の健康、生命、安全、原子力防災など未来を語る選挙にしてほしい。過去に起きたフェリー購入問題の話は別途やる必要はありますが、未来のふるさとをどうつくるか、前向きな選挙にしてほしいです。(本誌取材班)

週刊朝日  2016年9月16日号

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