「特殊な性の問題と言うより、人材不足によるストレスが〝性的虐待〟という形で表に出たと考えられます。安心・安全な場所でなければならない介護施設が抱える問題が深刻化しているのではないでしょうか。罪状は違いますが、一昨年、川崎市の介護施設で起きた殺人事件と根っこは同じではないかと思います」
介護業界の関係者にとっても衝撃的なできごとだったようだ。
「動機が何にしても許されない犯罪」。全国有料老人ホーム協会の灰藤誠事務局長は、そう憤る。その一方、介護職員のストレスケアへの対応ができていたのかが、気がかりだという。
「時間的にも空間的にも入所者と密着して生活を支えています。職場などのストレスマネジメントができていたのか気になります」
老いた親を預けている人ならば、ひとごとではない。一刻も早い解明が待たれる。
※週刊朝日 2016年7月8日号