松山英樹(24)など世界に通用する選手も多い日本男子ゴルフ界。日本ゴルフツアー機構(JGTO)の次期会長に、日本の男子で初めて世界ゴルフ殿堂入りを果たした青木功氏(73)が就任した。丸山茂樹氏はこのことに大きな期待を寄せる。

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 米PGAツアーの「ホンダ・クラシック」(2月25~28日、米フロリダ州パームビーチガーデンズのPGAナショナル)で、松山英樹は股関節に違和感があるため、2日目のスタート前に棄権しました。

 まあ、今シーズンはもう優勝もしてますし。無理してもしょうがないですからね。ちょうどフロリダでキャンプに入ってる大リーグ・マーリンズのイチロー(42)に会いに行ったというニュースもありましたし、リラックスした時間を過ごせてるようで、いいんじゃないでしょうか。

 この試合、優勝したのは35歳のアダム・スコット(オーストラリア)。2シーズンぶりとなる米ツアー通算12勝目でした。

 長尺パターの一部を体で固定して打つ「アンカリング」を規制する新ルールが、今年1月から施行されました。アダムはこの打ち方で2013年のマスターズに優勝。規制を前に昨年初めからレギュラーサイズのパターを使ったんですけどしっくりこず、長尺パターに戻していました。昨シーズンはフェデックスポイントランキングで106位と散々でした。そして昨秋から本格的にこの問題に向き合い、長尺パターを手放しました。

 
 ショットはもともと一流クラスだったんですけど、パッティングはどうなっていくのかなという不安材料しかなかった。よく克服できましたよね。短いパターでの優勝は5年ぶりだったそうです。アダムはすっごく試合数を制限するタイプなんで、これで彼の時代が来るかもなんてことは言いにくいですけど、メジャーでどんな活躍をするかによって、周囲の雰囲気も変わるんじゃないですか?

 話は変わりまして、日本ゴルフツアー機構の次期会長の話です。ジャパンゴルフツアー選手会からの強い要望もあって、青木功さんの就任が決まりました。

 現状で男子ツアーは26試合ありますけど、日本のプロゴルフの第一人者から各試合のスポンサーに「今後とも我々男子ツアーをよろしくお願いします」と言っていただけるのは大きいですよね。先頭に立つ顔としては、青木さん以上の方はいませんから。

 まもなく青木功さんの会長就任が決まって、4月14日に国内の開幕戦を迎えるという流れは、いいんじゃないかなと。青木さんが会長になられても、いきなり来シーズン試合数が30に増えるかといったら、そんなことは望めない。将来的なところを見つつ、現状あるスポンサーさんたちをきちんとした形で大事にしていける人物として、僭越ながら青木さんが最適なんだという気はしますね。

 今年初めての開催となる「第11回丸山茂樹ジュニアファンデーションゴルフ大会」(3月28日、千葉・平川CC)の参加応募が締め切りになりました。たくさんのご応募、ありがとうございました。抽選の上、参加者を決めさせていただきました。

 今回から新たな舞台に移ります。そこで子どもたちがどんなゴルフをするのか、本当に楽しみですね。平川CCは「日立3ツアーズ」やシニアツアーなんかも開催されてきたゴルフ場です。我々のコースセッティングも工夫しがいがあるでしょうね!

週刊朝日 2016年3月18日号

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丸山茂樹

丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

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