近年減少傾向が続き、今年は文系学部の復調で志願者が流れ、苦戦を強いられるかと思われた女子大への出願状況。が、ふたを開ければ0.7%増と、さらなる減少は回避した。
大学通信ゼネラルマネージャーの安田賢治さんは、こう話す。
「女子大離れが底を打った感があります。受験生が減れば入りやすくなりますから、安全志向から志願者が戻り、結果として微増したのではないでしょうか」
今年の出願状況を見ると、昨年から志願者増となったベスト3は、昭和女子大、日本女子大、十文字学園女子大。
目を引くのは2位の日本女子大だ。昨年は2017人減の憂き目にあったが、今年は一転、1万1819人で、昨年比15.3%増と挽回した。NHK連続テレビ小説「あさが来た」の影響は大だ。
「ドラマがスタートした昨秋以降、説明会等で『あさが来た』の学校ですよね?とよく言われるようになりました。皆さん、良いイメージを持ってくださっているようですね」(日本女子大入学課・河村宗昭課長)
志願者増傾向の女子大の旗手、昭和女子大は今年も盤石の伸びだった。志願者数9750人(2月9日現在)は昨年比23.2%増。大学通信の安田さんは同大の強みを、“就職力”に見る。
「就職活動で結果が出ない学生を秋の段階で呼び、どこが悪かったかを聞いて、もう一度チャレンジさせる。くじけそうな心を立て直す支援が手厚い。相談制度も充実していますね」
卒業生千人以上の大学が対象の「全国240大学実就職率ランキング」(大学通信調べ)で、同校の就職率は5年連続で女子大トップをマーク。昨年の就職率は93.9%だった。
同大広報部長の保坂邦夫さんは、学生をフォローする社会人の「メンター制度」の効用を説く。